memo/読書記録/富士日記

Sep 12, 2023

読み込んで血肉とす

著者:武田百合子
カバー画:武田泰淳氏画帖より(中央公論新社デザイン室)
発行者:松田陽三
発行所:中央公論新社
印刷:三晃印刷
製本:小泉製本
発行年数:2021年9月30日 4刷発行(上)
2021年9月30日 3刷発行(中/下)

電車移動が増えたので、その時間に読む“おやつ“感覚で読める本にちょうどいいかもと思って、文庫版の上巻をひとまず購入。
想像以上のおもしろさ!
文章から風景が立ち上がってくるような描写にページをめくる手が止まらなくなり、電車に乗る日を増やそうかと思ったくらい。
中・下巻も購入し、この2つの間にあたる旅行記「犬が星見た ロシア旅行」も読了。
「よく見る!」と言うことを戒めのように自分に言い聞かせている身としては教科書のような作品でした。
もうすでにこの世にいない夫婦が中心なせいか、夫で作家の武田泰淳の病気の進行具合のせいなのか、後半にかけて死の影がチラつくのもまた、惹きつけられた点のひとつ。
山荘で交流する地元のひとたちに、百合子と同年代の祖母が“祖母になる前“の時代背景や生活に重なり、想像することができたことも、読んでよかったと思えたことです。

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