memo/読書記録/富士日記
Sep 12, 2023
読み込んで血肉とす
電車移動が増えたので、その時間に読む“おやつ“感覚で読める本にちょうどいいかもと思って、文庫版の上巻をひとまず購入。
想像以上のおもしろさ!
文章から風景が立ち上がってくるような描写にページをめくる手が止まらなくなり、電車に乗る日を増やそうかと思ったくらい。
中・下巻も購入し、この2つの間にあたる旅行記「犬が星見た ロシア旅行」も読了。
「よく見る!」と言うことを戒めのように自分に言い聞かせている身としては教科書のような作品でした。
もうすでにこの世にいない夫婦が中心なせいか、夫で作家の武田泰淳の病気の進行具合のせいなのか、後半にかけて死の影がチラつくのもまた、惹きつけられた点のひとつ。
山荘で交流する地元のひとたちに、百合子と同年代の祖母が“祖母になる前“の時代背景や生活に重なり、想像することができたことも、読んでよかったと思えたことです。