memo/読書きろく/悲しくてかっこいい人
Sep 7, 2019
悲しくてかっこいい人
彼女が暮らす街を、部屋を想像してみる。
路上には鍋から湯気が立つ屋台と銀杏並木。
遠くには鏡の塔のように見える高層ビル。
いろいろな音楽と呼び込みの声。
その一角に立つ雑居ビル。
天井は高くて陽の光はよく入る。
部屋は広くはないけれど居心地は悪くない。
床に敷いたラグの上に寝転んで彼女はギターを弾いている。
Twitterをみるのをやめられないし、お金の心配も尽きない。
彼女はいつも泣いていて、怒っていて、怯えている。
でも、問を投げかけること、考えることをやめないし、「わはは!」と笑って生きていける未来を諦めていない。
この本を読んだ後に、彼女の歌を初めて聴いた。
「こうしたらどうかな?」
「楽しい!」
「やってみよう」
制作過程の彼女の感情を勝手に思ってしまう。
静かだけど、喜怒哀楽が籠もっている歌ばかりだった。