memo/読書記録/戦闘妖精・雪風<改>

Apr 24, 2021

思考の跳躍

著者:神林長平
Cover Illustration:長谷川正治
Cover Design:岩郷重力+Y.S
発行者:早川浩
印刷者:草刈明代
発行所:株式会社早川書房
発行年数:2005年4月15日発行 2019年9月15日28刷

少し前「好きな邦画は?」と聞かれたことがあった。
その中で「アフタースクール」の話をして、そのあとに「(アフタースクールに出演していた)堺雅人が声優を務めた『戦闘妖精雪風』よかったよねー」と帰りの電車内でひとり思い出し、さらに「そういえば原作読んでないな」ということで書店へ。
そもそもは連載の後に、1984年に文庫化された「戦闘妖精・雪風」。
本著は、その続編となる「グッドラック―戦闘妖精・雪風」の刊行に合わせて細部を改訂したので<改>がついています。
とはいえ、著者自身のあとがきで「ごく一部を修正した程度」と断っているのと、続編も読みたいので、新版を購入。
アニメ(OVA!!)版は、続編となるグッドラック編を中心としていたのと、オリジナルの結末だったので、初見にちかい気持ちで登場人物のヴィジュアルと声だけをアニメ版のものを活用し脳内再生読書。

南極大陸に突如出現した通路の先は、地球を侵略した異性体・通称“ジャム”がいる惑星フェアリイ。
そこで、“人類”を守るために戦う組織に所属する戦術戦闘電子偵察機・雪風とそのパイロット・深井零を中心とした物語。
地球人 vs.異星体の戦いであるのに、「インディペンデンス・デイ」などのハリウッド映画と違うのが、「国、人種、宗教を越えて」人類が一丸となって戦っているわけではないところ。(とはいえ、映画の方もアメリカの描写がほぼだけれども)
戦闘の最前線が地球外だということで、地球側にいる人類は異星体との戦いは実感できていない。
地球侵略をしようとしている“ジャム”も何十年も交戦していても“何か”すらわかっておらず、何と戦っているかもわからない状況で、主要人物である深井零は愛機・雪風だけを信じ、雪風だけを心の拠り所にしていた。
人を無視しているような戦い方をする“ジャム”の謎、雪風と深井零の関係から、“人類の敵”は何か、機械(人工知能)と人の関係はどうなっていくのか、人工知能が進化することで人もまた変容するのかという問いをもらったような気がしました。
その答えを求めるわけではありませんが(自分で考えるのかもしれません)、今は、続編「グッドラック」、「アンブロークンアロー」を読むのが楽しみです。

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