memo/読書記録/飛ぶ孔雀
Feb 7, 2022
屈折した光景
就学前に天気の良い日は、母にお城の中にある小さい公園に連れて行ってもらっていた
遊具はブランコ、滑り台、シーソーがあるくらい。私のお気に入りは池の岩にのって甲羅干しをしている亀を眺め続けること
その池の隣には、小屋があって棲んでいるのは、孔雀
中を覗くと、雄の孔雀があの美麗な飾羽根を広げてくるのが、威嚇かサービスかはわかりませんが恐ろしかった
孔雀との思い出はこれだけですが、あの得体の知れない気持ちは今も残っています
孔雀がタイトルになった本を見つけて「あれが、飛んできたら…」と、思い出からきた小さな理由で手に取りました
石切り場、火、青い火花、
時間軸は飛んだり、戻ったり、そもそも世界がつながっているのかいないのか、目をこらせばこらすほど、輪郭がぼやけていくような、三半規管に不調をきたした時の様に目眩を感じつつも、読むのを止められませんでした
マルチエンディングの様な、いや、ラストはこれ以外考えられないないかもしれないと、読後もまだ本の世界の余韻が残る作品でした。