memo/読書記録/カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ
Sep 8, 2021
感じの良さで評価するのは間違っている
スポークン・ワードのイベントで自作の詩をパフォーマンスする21歳のフランシスと、元恋人で親友のボビー。
自著が出版もされている、ジャーナリストのメリッサと、その夫で俳優のニック。
フランシスの視点で語られる物語。
フランシスにとって、国家公務員を父に持つボビーもサクセスフルなカップルであるメリッサとニックも自分よりヒエラルキーが高い位置にいて、本能的に「私が彼らを傷つける存在になるわけは無い。傷つけられるとしたら自分のほうだ」という意識が働く存在。(実際は、ほかの3人も問題を抱えている)
そんななか、ニックに惹かれる自分との向き合い方に戸惑い、それを落ち着かせるための“プロジェクト”を行う。
ボビーとの“交際(カンバセーション)”、ニックとの“複雑な関係”、どれもフランシスには、大切なこと。
「会話」が中心なので、まるで自分もその議論を隣のテーブルで聞いているように感じられるところも、新鮮な入り込み方ができました。
そして、他者と関わることで、自分を確認する行為は身に覚えがある。フランシスとニックのテキストメッセージの温度変化が「そう、そう、そう!」と共感&いつかの苦い思い出が蘇る。
ロマンスだけじゃない恋愛小説でした。