memo/読書記録/犬が星見た-ロシア旅行
Sep 27, 2023
意気込みはいらない
「富士日記」の中と下の間の出来事
昭和44年(1969年)6月〜7月のユーラシア大陸横断旅行記
旅行団に武田百合子、夫の武田泰淳、夫の友人の竹内好が参加。山荘での日記のように今回も夫に言われてつけた日記がもとになっている
「つれて行ってやるんだからな。日記をつけるのだぞ」そう武田は言った。
日頃、タダで御飯を食べているばかりの私は恐縮して、旅のあいだ走り書きをしていた。
P397 あとがき
走り書きでこんなにも鮮明に描写できるなんて!「富士日記」でも思ったけど、彼女のものの見方が胸をつく
河は氾濫した後らしかった。大小の水溜りが皮膚病のようにどこまでも広がっている。
そこには灌木のような丈高い草が繁り、草にはうす赤い花が咲いているらしく、そんな色にどこまでも霞んでいる。
P132